山崎響のセンチメンタル暴力ブログ

物語を書いたり、書評したり、あれこれ思ったり。 演劇、映画、小説、色々見たこと、聞いたこと、そんな事を書いてます。 気軽にコメント下さいねっ!

ふわふわのダブルロールじゃないとちょっと。
風になびいて届けマカロン。

2018年01月

20180118 イ・ハイ lee hi 이하이 Golden Disc Awards

イ・ハイ(lee hi 이하이)

Golden Disc Awards の舞台をユーチューブで見た。

涙で声が詰まり歌えない彼女を見て胸が締め付けられた。

涙を流す顔を、カメラに見えないように背けていただけかもしれないけれど、

たびたび振り返るイ・ハイは、私には誰かに助けを求めてるように見えた。

これ以上歌えない。

無理だ。

誰か止めて。

そんな声が聞こえるような気がした。

できれば止めて欲しかったんだと思う。

幼稚園児がお遊戯会でお母さんを探しているような、そんな心細さを感じた。

途中、何小節も歌えなかったが、それでも彼女は声を振り絞った。

ケンチャナヨ

ようやく振り絞った歌詞だった。

私は彼女がジョンヒョンに言ってるようにも、彼女が自分自身に言ってるようにも、みんなに対して言ってるようにも思えたし、

言わなきゃいけなくて言ったようにも感じた。

喪服にも似た衣装の第二ボタンを、ぎゅっと手に握りながら歌ったサビは、いつものイハイではなかった。

私は彼女がK-pop star というオーディション番組に出た時から見ている。

当時高校生ながら、とても歌がうまく、低音が得意だったが、番組の中で高音も自分のものにしていった。

デビューしてからもそうだし、この曲をライブで歌う時もそうだったけれど、とても綺麗で伸びのある高音を歌えるようになった。

けれど、

この日のイハイが歌う「한숨(ため息)」は、叫んでいた。

喉から血を出すような歌い方、普段は絶対にしないような前かがみになって押し出す声。

そうでもしないと、歌えなかったし、

そうまでして歌っているんだとすぐに思えた。

とてつもない強さを感じた。

何がまだ21、2歳の彼女を支えているのか考えた時に、

ジョンヒョンに対する想いではないだろうかと思い、きっとそうだろうと感じた。

彼女は泣いていた。

この曲の歌詞が持つ意味を、この曲を歌う意味を、この曲に込められた想いを知っているからだ。



「他人には弱々しく映るため息かもしれないけれど、私は知っているよ。小さなため息を吐きだすことも難しい一日を送ったんだよね」

「だから、大丈夫。そのまま吐き出して。そのため息の深さを理解することはできないけれど」

「私が抱きしめてあげるよ」



彼女は言った。

この曲はジョンヒョンさんが他の人に言ってほしかったことを歌詞に綴ったようだと。

私もそう思う。

この歌詞は、誰かが言った言葉だとしたら、とても優しい歌詞だけれども、

言って欲しい言葉だとしたら、とても痛みに満ちている歌詞になってしまう。

そして、

残念だけれども、結果から言えば おそらく後者だった。

それを、イハイは誰よりも理解していたんだろうと思う。

これを歌う意味、歌う辛さを天秤にかけて、彼女は歌うことを選んだし、

選んだ以上は、しっかりやろうとして、

しっかりやり遂げた。

やり遂げた。私はそう思う。

その一方で、

まだ21,2歳の女の子に、こんな辛いことさせるなよ。と思った。

テヨンがインスタグラムで 助けてあげたかった。 と言ったのもほとんど同じ理由だと思う。

今回のイハイの姿には、

歌手としてのプロフェッショナルというよりも、

故人に対しての誠実さを感じて、

その想いに私もまた涙した。



ジョンヒョン、この曲を渡した相手は、とてもいい人だったよ。

苦しんでしまうくらいに、いい人だったから、天国からサポートしないとダメです。







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漢字を思い出せずに数日過ごしている。

横風が吹く街中で、マフラーに顔をうずめた時、

振り落ちる雪が、街灯のオレンジに染まる時、

手には缶チューハイとホットスナックが入ったビニール袋だったり、

スマホだったりする。

あの漢字はどう書くのだったっけ。

最近はパソコンばかりで、

漢字を書くことがなくなったからだろうか。

便利になり過ぎるのも困ったものだ。なんて、

白髪交じりのセリフが浮かんでは消える。

スマホで変換したらいいのだろうけれど、

どうしても自力で思い出したい気がするし、

自力で思い出さなければならないような気がする。

まぼろし という漢字はどうだったけ?

特別、思い出さなくてもいいような気もしていて、

日常では忘れているけれど、

夜の一人道、アルコールが入った深夜なんかに、

無性に思い出したくなって、

なのに思い出せなくて、諦めて眠る。

そんな風に繰り返す毎日の中で、

電話が鳴った。

お互いの近況なんかを話し合って、

なんとなく話が収まり始めたタイミングでバイバイを言ったのに、

「あ、そういえば」

という一言から、

最近好きな食べ物やら、テレビで何が面白いだとかの話が始まってしまって、

そこから気づけば一時間半経った。

電話を切って、

昔のことを少し思い出した。

電話相手だった彼女はよく笑う人だった。

そして、よく怒る人でもあった。

今思えば、隣で見せる笑った顔も怒った顔も好きだった。

丸く笑って、丸く膨らんで怒る。

そんなことを思い出してるうちに、とうとう思い出した。

まぼろしという漢字を。


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