タイトル『誰の為に』









第?話  イン ベッド

嫌な夢想 壊れそうな予想 迷走と空走 理想が逃走

どんなにも愛しい こんなにも難しい 二人きりが無理 いっそ心中 それも無理

最愛の証明に曖昧な暗明は似合わない いらない迎えられない

苦しいのはアナタで寂しいのはワタシ 悲しいし虚しい 

険しい顔と重苦しい煙草 残されるのは私と思い出のモノクロ

お遊びというほどに 間違いという事に 

落とし所は所々ごろごろと落ちていたけど 

二人がちょうど暇していたあの頃 

この頃思う事 最初の男になれたこと 心においてこそこそと最後のベッド。

















ふいに、首が締まった。

目を開けると涙を溜めた彼の顔があった。

あたしを責めてるようにも、

あたしに許されたいようにも、

泣いているようにも笑っているようにも見えた。

あたしは『いいよ』と思って笑った。

殺していいよ。と思った。

.直後、

首から彼の力が抜けて、体温があたしにのっかった。

強く抱きしめられて、彼は嗚咽を漏らして泣き始めて。

あたしは目を瞑って、彼を強く抱きしめ返した。

嗅ぎなれた耳の裏の匂いを嗅いで、

じゃあね。と思った。

彼が果てた後、

あたしにはぽっかりと穴があいていた。






続く。